スポーツ法務

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施設管理者の責任について

弁護士 武田雄司

第1 はじめに

 

2回連続でファールボール訴訟を取り上げておりましたが、共通する問題としては、「施設管理者の責任」です。

 

そこで、本稿では少し抽象論にはなりますが、「施設管理者の責任」に関する裁判例を見ておきたいと思います。

 

第2 施設管理者の責任に関する裁判例


昭和56年12月16日/最高裁判所大法廷/判決/昭和51年(オ)395


国家賠償法二条一項の営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が有すべき安全性を欠いている状態をいうのであるが、そこにいう安全性の欠如、すなわち、他人に危害を及ぼす危険性のある状態とは、当該営造物を構成する物的施設自体に存する物理的、外形的な欠陥ないし不備によって危害を生ぜしめる危険性がある場合のみならず、その営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合をも含み、その危害は、営造物の利用者に対してのみならず、利用者以外の第三者に対するそれをも含むものと解すべきである。

 

当該最高裁判例は、いわゆる「大阪国際空港夜間飛行禁止等請求上告事件」の最高裁判決であり、スポーツ施設の管理に関する訴訟の判決ではありません。

 

しかし、ここでは判示されている「設置または管理の瑕疵」の判断基準として、「営造物を構成する物的施設自体に存する物理的、外形的な欠陥ないし不備によって危害を生ぜしめる危険性がある場合のみならず、その営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合をも含」むと判断されている点は、スポーツ施設における瑕疵の判断基準にも大きく関連する内容であり、十分に注意をしておく必要があるでしょう。

 

以上

(弁護士 武田雄司)

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