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夫婦の共有財産がない場合の財産分与

立野里佳

離婚を検討される際、特に収入も資産もなく、離婚するにあたって、当面の生活について経済的に不安を感じられているご相談者がよくいらっしゃいます。

このような場合、夫婦に特に財産がない場合には、財産分与は一切もらえないと誤解されがちですが、実は、夫婦で貯めた貯金やマイホームなど、精算する共有財産がなくとも、「扶養的」財産分与として、裁判所の決定で一定の支払等が認められる場合があります。

財産分与は、主に婚姻期間中に夫婦で蓄財した共同の財産を精算分配することが目的とされますが、「離婚後における一方の当事者の生計の維持」も目的の一つとされます。

当事者間で、一方の生計を維持するため、離婚後、毎月一定額の支払いをしてもらう等、協議をしたものの、相手方の納得が得られない場合は、家庭裁判所の手続で決定を得ることもできます。

裁判所は「一切の事情」を考慮して、財産分与の額や方法を定めるべきとされていますが(民法768条3号)、過去の裁判例では、「婚姻における生活共同関係が解消されるにあたって、将来の生活に不安があり、困窮するおそれのある配偶者に対し、その社会経済的な自立等に配慮して、資力を有する他方配偶者は、生計の維持のための一定の援助ないし扶養をすべきであり、その具体的な内容及び程度は、当事者の資力、健康状態、就労の可能性等の事情を考慮して定めることになる」(名古屋高決平18・5・31)と判示したものもあり、実務上具体的には、以下のような事情が考慮されています。

  • 当事者の資力(収入や財産)
  • 健康状態(年齢、病状等)
  • 就労可能性(健康状態、未成熟時の養育の必要等)

裁判所の手続では、法律及び過去の裁判例等に基づき、裁判所に対して、当方の事情を説得的に伝えることが重要となります。具体的な対応方法につきましては、当事務所にご相談ください。

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