裁判において,お子様に対する特別の出費が考慮され,養育費の増額が認められた事案

本件では,ご相談いただいた時点で,相手方との間で離婚訴訟が係属中であり,ご相談者の事情により,最初に依頼した法律事務所から,当事務所に依頼されることとなりました。ご相談者のお子様は,障害を持っておられ,おむつ代やリハビリ,診察のため遠方の病院に行くためのガソリン代など,一般的な家庭よりも多くの養育費がかかるため,その旨を裁判でしっかり主張してほしいとのことでした。

 

訴訟では,関連する裁判例を引用しつつ,関連する手持ちの領収書等をすべて証拠として整理し,提出し,養育費の増額を主張しました。その結果,一般的な養育費の相場よりも1万円増額された判決が下されました。相手方は控訴し,争ってきましたが,控訴審でも同様の判断が下されました。

 

養育費については,実務上,一般的な相場が定められていますが,個別具体的な事案で,一般的な家庭よりも多くの養育費の支出を要する事情がある場合は,その事情を証拠とともにしっかりと主張し,増額を目指していく必要があります。毎月の出費をコツコツと整理し,主張することは骨の折れる作業ですが,粘り強く主張を行っていくことで,結果につながりうるということを強く感じた事例でした。