後遺障害による逸失利益(学生の場合)

  • 松本 政子
  • 後遺障害
  • 逸失利益

後遺障害が認定された場合、将来における逸失利益についても賠償請求できるケースがあることは以前に知恵袋でご説明したとおりです。

逸失利益は、原則として事故前の被害者の現実の収入額を基礎として、その何%かを損失として請求することになります。

 

被害者が学生の場合で、まだ実際の就職が決まっていない場合、被害者の現実の収入額は未知数です。

このようなケースでは、全年齢平均賃金を基準に逸失利益を算出することが多いです。

 

また、学生の場合に全年齢平均賃金を基準にすることとの均衡上、有職者であっても若年の場合は現実の収入額ではなく全年齢平均賃金を基準にすることもあります。

若年の場合は一般的に年収額が低いことが多く、事故前の現実の収入を基礎として逸失利益を算出すると不当に低額になることが多いからです。

 

このように、学生など若年の方の逸失利益については、収入額の算定について裁判で配慮されることがあります。

 

(弁護士松本政子)