交通事故のご相談は賢誠総合法律事務所まで

役員報酬すべてを休業損害及び逸失利益の基礎収入として和解が成立した事案

役員報酬すべてを休業損害及び逸失利益の基礎収入として和解が成立した事案

以前,「ホーム>実績・事例紹介>頚椎椎間板ヘルニアがある事案において,事故による外傷の可能性が高いことを明らかにし,自賠責において14級9号の後遺障害等級が認定された事例頚椎椎間板ヘルニアがある事案において,事故による外傷の可能性が高いことを明らかにし,自賠責において14級9号の後遺障害等級が認定された事例」(https://www.fushimisogo.jp/wordpress/accident/instance/?ID=1454)をご紹介いたしましたが,同じご依頼者の事案で,会社代表であるご依頼者の役員報酬1200万円すべてを基礎収入として認めてもらい,和解が成立した事案を紹介します。

 

別記事の通り,14級9号が認定されたことを受け,ご依頼者の損害を整理した上,添付の12月14日付連絡書面を相手方保険会社に送付したところ,

相手方保険会社からは,「被害者の1200万円の収入は,会社役員としての利益配当分も含まれており,すべてが労務提供の対価とはいえないから,損害の算定の基礎となる収入は,賃金センサスの平均の660万円でお願いしたい」という話がありました。

少し説明をすると,交通事故にあい,後遺障害が認定された際に相手方に請求できる損害の項目として,「休業損害」及び「後遺障害逸失利益」があるところ,これらの算定の際に,被害者の収入をいくらと考えて計算をするのかということが問題となります(損害算定の際の前提となる収入を「基礎収入」といいます。)。一般的な会社員の方であれば,会社から給与明細や源泉徴収票が発行されていることや,一般的な会社員の給与は,「その給与に見合った労務提供を会社に行ったこと」から支払われるものであることから,給与額がそのまま基礎収入になることはほとんど争いがありません。

 

他方,会社代表者といった役員の場合は,「労務の提供を行ったこと」を理由に報酬が支払われるとは限らず,「会社が得た利益の分配」という意味合いで報酬が支払われることもあるため,報酬額全額を基礎収入であると主張しても,なかなか相手方保険会社が認めないことが多いです。

 

もっとも,本件のご依頼者は,会社の代表ではあるものの,役員及び株主はご依頼者一人,従業員も数名で,家族も従業員になっているといった事情や,ご依頼者自身が,工事現場での仕事や,営業活動をバリバリと行うなど,中心的に実働の仕事を担っている方でした。そこで,当方からは,本件に類似する裁判例を引用するとともに確定申告書や法人事業概況説明書,決算報告書等を下に,会社が実質的に個人事業であること,依頼者が実働の仕事を中心的にこなしていたこと,実際に,事故後,ご依頼者が行える仕事に制限が生じたことから,会社の売上が低下し,ご依頼者の報酬も減額するに至ったこと等などを主張し,1200万円の役員報酬すべてが労務提供の対価であることを主張しました。

 

そうしたところ,相手方保険会社は,当方の主張をすべて認め, 1200万円を基礎収入とした上で算定した休業損害,逸失利益を認めました。これまで担当してきた案件では,訴訟でも,役員報酬の100%が基礎収入であると認められることはありませんでしたので,訴訟外の和解で1200万円が全額基礎収入として認められたことは,大きい成果であったといえます。

Pagetop