チェアマンとキャプテン
Jリーグのトップについては,その発足当時から,川渕「チェアマン」という呼称が一般的に使われておりますが,これは,Jリーグの定款にも「理事長」を指す言葉として明確に規定されている言葉です。
Jリーグの正式名称は,「公益社団法人 日本プロサッカーリーグ」であり,組織としてのJリーグ=公益社団法人ということになります。
そして,公益社団法人の運営は,株式会社の取締役会のように,理事により構成される理事会によって決定され,理事長=チェアマンは,株式会社の代表取締役(社長)のような立場にある人です。組織としてのJリーグの社長さんが,チェアマンと考えておけば,大きな誤りはなさそうです。
一方で,Jリーグと似て非なる組織が,最近は良く耳にする,「日本サッカー協会」です。この組織の正式名称は,「公益『財団』法人日本サッカー協会(JFA)」です。財団と社団の違いはまたどこかでご説明させていただきたいと思いますが,まぁ,どちらも組織は組織ですので,会社のようなものだと思っていただいて別に普通の一般的な会話の中では特に支障はありません。
日本サッカー協会は,上記のJリーグなどの「上部団体」であると考えられており,日本サッカー協会とJリーグの関係については,この組織図を参照するのが分かりやすいです。http://www.jfa.jp/about_jfa/organization/structure/
そして,この日本サッカー協会も,公益法人であり,その運営は,上記Jリーグと同じく,「理事会」により行われるのですが,その理事会のトップである代表理事あるいは理事長のことを,日本サッカー協会では,「会長」と呼んでおり,最近はこの「会長」のことを「キャプテン」と呼んだりしているわけです。
ちなみに,上記Jリーグの社長さんであるチェアマンは,その上部団体である日本サッカー協会の副理事長(言ってみれば副社長)を務めるという運用が取られているようで,川渕チェアマンさんは,Jリーグのチェアマンを退任した後は,上部団体である日本サッカー協会の会長=キャプテンになられました。
というわけで,バクッと言えば,キャプテンはチェアマンより偉い!というイメージで良いかと思います。一般的な言葉の感覚(あるいは,当初の川渕チェアマンさんのインパクトの強さ)からすれば,なんとなく,チェアマンの方が偉いイメージがありますが(私だけかもしれませんが),キャプテンの方が偉いというのが,少なくとも組織の形の上からは正しい把握の仕方ということになります。
弁護士 牧野誠司
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弁護士牧野 誠司
どのような事件に対応させていただくときでも、「牧野弁護士に依頼して良かった」と言っていただけるよう、そのご依頼者のために最良の解決を目指して努力させていただくことを日々の指針としています。