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高野連の処分に対する不服申立方法

弁護士 牧野誠司

部員あるいは指導者の不祥事により,高野連から処分を受けたけれども,それがあまりに過剰な処分の場合は,さすがにその軽減を求めたいと思うこともあるでしょう。たとえば,上級生が下級生にデコピンをしただけで,高野連から2年間の対外試合禁止を命じられたような場合は(さすがにそのようなことは考えにくいでしょうが・・・),せめて3カ月にしてくださいなどと言いたくなるでしょう。

 

このような場合は,日本学生野球憲章は,この知恵袋の一番下に引用している33条により,「日本学生野球協会に対する不服申立ができる」と定めています。高野連というのは,実は,大学野球も統括している日本学生野球協会の下部機関であり(このへんの組織図についてはこのサイトhttp://www.jhbf.or.jp/summary/organization/に記載の通り),高野連の処分に対しては,日本学生野球連盟に対して不服申し立てが可能とされています。そして,その不服申し立てについての日本学生野球連盟の判断に対して,さらに不服申し立てをしたいときは,この知恵袋でも何度か紹介をしているスポーツ仲裁における判断を仰ぐことができます。

 

この,日本学生野球協会の不服申立制度は,いまだ数件程度しか過去に利用例がなく,不服申し立てが認容された事例はまだほとんどないのではないかと思われますが,当事務所所属弁護士の牧野誠司と,武田雄司は,先般この不服申立制度による不服申し立てを代理し,高野連の処分を半分以下に減縮することに成功しました。野球部への処分というのは,野球部員のかけがえのない時間を奪ってしまう可能性もある非常に苛酷な処分になることもありますので,その減縮に成功できたことは我々にとっても大変嬉しいことでした。

 

なお,日本学生野球協会における不服申立審理は,言ってみれば「ミニ裁判」というような手続であり,我々弁護士が得意とするところで,一般の人が代理人を立てずに実行するよりも,弁護士に代理を頼んだ方がはるかに有効な弁護活動ができるものだと感じました。

 

第33条(審査室の処分決定および日本学生野球協会の決定に対する不服申立)
審査室が行った処分決定に対して、被処分者は日本学生野球協会規則が定めるところに従い日本学生野球協会に対して不服申立ができる。
2 前項の不服申立に対する日本学生野球協会の決定になお不服がある場合には、対象者は日本スポーツ仲裁機構に対して前項の日本学生野球協会の行った決定の取り消しを求めて仲裁の申立を行うことができる。

PROFILE

牧野 誠司

弁護士牧野 誠司

どのような事件に対応させていただくときでも、「牧野弁護士に依頼して良かった」と言っていただけるよう、そのご依頼者のために最良の解決を目指して努力させていただくことを日々の指針としています。

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