親が連帯保証人でも相続放棄できる!手続き方法と注意点を徹底解説

親が連帯保証人でも相続放棄できる!手続き方法と注意点を徹底解説

今回の記事では、親(被相続人)が連帯保証人でも相続放棄できるという点について簡単にわかりやすく解説します。

1、連帯保証人の義務は相続の対象!ただし相続放棄が可能

親(被相続人)が連帯保証人となっていた場合、親(被相続人)が亡くなると、基本的には、連帯保証人として負っていた債務も相続の対象となります。

そのため、親(被相続人)の相続財産と、連帯保証債務を含めた負債の額を確認し、負債の方が大きい場合には、相続放棄を選択する方が良い、といえるでしょう。

2、連帯保証人の地位を相続するケース/相続しないケース

(1)賃貸借契約の連帯保証人

親(被相続人)が賃貸借契約の連帯保証人になっていた場合、その連帯保証人としての義務は、相続の対象となります。

そのため、相続放棄をすべきか否か判断するために、親が負担する債務の限度額(改正民法465条2)がいくらとなっているか、確認することが重要です。

ただし、令和2(2020)年4月以前に締結された契約には限度額の定めがないことが多く、このような契約も有効と解されています。令和2(2020)年3月までに作成された契約書しかなく、そのまま法定更新等がされていて、連帯保証人の限度額の定めがない場合には、いくらの債務を負うか契約書上明らかではありませんので注意が必要です。

(2)金融機関の借入れの連帯保証人

親(被相続人)が金融機関の借入れの連帯保証人にがなっていたような場合、その連帯保証人としての義務は、相続の対象となりますので、債務額(改正民法465条2)がいくらか、確認することが重要です。

(3)根保証契約の場合

親(被相続人)が、根保証契約を締結していた場合、被相続人が死亡した時点で、元本が確定し(改正民法465条の4第1項3号「根保証契約の主たる債務者又は保証人が死亡した場合」)、死亡した時点までの債務は相続の対象となりますが、その後に発生した債務については、相続の対象とはなりません。

そのため、親の死亡時点の債務の残高がいくらとなっているか、確認することが重要です。

(4)身元保証人の場合

親(被相続人)が身元保証人となっていたような場合、身元保証契約自体は相続の対象とはなりません。

身元保証契約が締結される場合には、身元保証人と保証される本人との間の信頼関係に基づくことが多く、被相続人の一身専属的なものと解されており、保証される本人と相続人との間には信頼関係があるとは限らないためです。

ただ、生前に身元保証契約に基づき、損害賠償債務がすでに発生しているような場合には、その損害賠償債務自体は通常の金銭債務と変わらないとされるため、相続の対象となります。

3、被相続人が連帯保証人であったかどうかを調べる方法

被相続人が連帯保証人であったかどうかを調べる方法

(1)信用情報機関へ問い合わせる

親(被相続人)が、連帯保証人になっていたかどうかについて、民間の金融機関からの借入についての連帯保証人であれば、債務者の信用情報の収集や加盟団体への情報提供を行う組織であるCIC、JICC及び全銀協(KSC)へ信用情報の問い合わせをすることで明らかになる可能性があります。

ただし、奨学金の連帯保証人や地方公共団体等の借入についての連帯保証人、個人間での借入の連帯保証人など、信用情報機関には登録されないケースもありますので、すべての債務が確実に判明するわけではない点については注意が必要です。

(2)契約書、銀行口座、メール、郵便物等の確認をする

親(被相続人)が、連帯保証人になっている場合には、その旨の契約書を作成していることが多いので、そのような契約書がないかどうか確認することが考えられます。

また、被相続人が連帯保証人になっていて、連帯保証人として実際に債務の返済を行っていたような場合には、銀行口座から返済の履歴があることがあります。さらに、債務者や債権者から連帯保証債務についての連絡がある場合には、メールや郵便物を確認すれば判明することもあります。

ただし、主債務者が返済を滞りなく行っているような場合には、このような返済や連絡の記録が残っていない場合もありますので、注意が必要です。

4、連帯保証人の相続放棄をする際の注意点

通常の相続放棄をする際の注意点と同様ですが、被相続人の死亡ないし被相続人が債務を負っていることを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して相続放棄の手続をする必要があります。

また、相続放棄をするためには、相続放棄前に遺産を使うなど「単純承認」にあたるような行為をしていないことなどが条件になりますので、詳しくはこちらのコラムをご確認ください。
相続放棄ができないケースとは?対処法・注意点を弁護士が詳しく解説

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2025.02.20宮﨑はるか