セブン・イヤーズ・イン・チベット
- 牧野誠司
- 寄り道コラム
知る人ぞ知る名作です。
ブラッドピットが美しい映画といえば、この映画か、リバーランズスルーイット、ジョーブラックをよろしく、あるいはデビルですかね。
この映画は、まさに、「マイウェイ」の否定と、自分より他者を思いやって生きる生き方への転向がテーマになっている映画です(と私は勝手に理解しています)。資本主義の否定あるいは修正の映画とも言えるかもしれません。
自分の生き方を否定したり、修正することって、勇気がいりますけど、大事なことだと思いますし、マイウェイが大事っていう資本主義社会の中で、気づかれないといけない価値観・考え方だと思います。
とにかく、ブラッドピットと、山岳地方の美しさが十分に映し出されていて、上記のようなテーマが自然に心にしみてきて、「映画を観たな~」という満足感も与えてくれる映画です。
中国とチベットとの政治関係は私には分かりませんでしたし、今もあんまり分かってないですけど、この映画はすごく心にしみた記憶があります。
自分を高める、自分の生きたいように生きることが大切なんていう考え方は、この数十年、長くてもたった100年で強くなったにすぎないちょっと異常な考え方ですし、自分より偉大なものがある、自分はちっぽけなものだという考え方の方が、ずっと真理に近いように思います。それを、説教臭くなく、美しく、ポジティブに伝えてくれる映画でした。
裁判でも、大事なのは、「伝える」ことではなく、「伝わる」ことでして、裁判官の立場(her or his way)が大事なのであって、my way だけでは「伝わらない」ので「勝てない」んですよね。
勝ちたければ、her or his wayを尊重することです。