重要な取引先との間で生じたトラブルの対応について
日々会社を経営していれば、重要な取引先との間でトラブルが生じることもあると思います。
弊所の顧問先の企業様は、工事現場で発生した事故について重要な取引先から責任追及され損害賠償請求をされてしまいました。
顧問先企業様としては、「先方との取引関係を今すぐ解消することは難しいが、この事故は先方の責任であるから損害賠償は支払いたくない」とのことでした。事故現場にいた身としては申し訳なさを感じているが、先方と直接交渉する中で責任を認めてしまうことのないように交渉の中で気を付けるべきことはないか質問されました。
弊所からは、「道義的な責任」と「法的な責任」を区別して対応することを助言しました。道義的責任とは「現場での作業中に、自分の作業範囲以外のことに思い至れればよかった」「力及ばず申し訳ない」といった社交儀礼として遺憾の意を表するものです。一方、法的責任とは、「作業中に弊社が気づく『べき』だった」「弊社として~と対応す『べき』だった」というように法的にすべきこととなっていたと認めることです。道義的な責任を感じ申し訳なく思っていると伝えるにとどまる場合と、法的責任を認めてしまう場合は、その後の交渉の流れに大きな差が出てきます。
このように、重要な取引先との関係では、強く出られないが責任は負いたくない、負うことはできないという場面もあると思います。このような場面でも、いかに取引先との関係を壊さずに対処するか、適切な対応を検討するにあたり、顧問弁護士の存在が不可欠です。
顧問弁護士をお探しの方は弊所までご相談ください。