身元保証サービスについて

福祉事業の専門法令知識

 昨今、高齢者介護サービスとして、「身元保証サービス」というものをよく耳にします。ただ、身元保証サービスといっても、そのサービス内容は様々です。今回は、身元保証サービスの法的性質と問題点を検討します。

 身元保証サービスの中には、入院・入所費用の債務保証が含まれていることが多いですが、この債務保証は、民法465条の2に規定されている個人根保証契約にあたると考えられます。

個人根保証契約については、本サイトのコラム「保証契約時の留意点とその効力」をご参考ください。https://kensei-law.jp/welfare/column/detail/%e4%bf%9d%e8%a8%bc%e5%a5%91%e7%b4%84%e6%99%82%e3%81%ae%e7%95%99%e6%84%8f%e7%82%b9%e3%81%a8%e3%81%9d%e3%81%ae%e5%8a%b9%e5%8a%9b/

 その他の、入院計画やケアプラン等についての同意や医療行為の同意、生前の財産管理業務や死後の事務に関する業務などについては、特段の法規制がなく、その契約の法的性質は、一般に、民法上の委任契約(民法634条以下)であると言われています。したがって、どのような契約内容にするかについては、公序良俗に反しない限り、基本的には、契約当事者、つまり、高齢者と事業者との間で自由に取り決めることができます。

 しかしながら、身元保証サービス契約は、無償でなく一定の対価が発生するのが通常であり、その対価の支払いを担保するために、保証金等の名目で相当額の金銭を事業者に支払う内容となっていることが多くなっています。そして、この保証金の管理体制についても、事業者は、民法上の善管注意義務を負うものの、これを直接担保するような法規制はまだなく、各事業者の自主的な管理に委ねられているのが実情です。また、身元保証サービスは、高齢者と事業者との契約に基づくものであるところ、その契約内容も多岐にわたっており、また複雑なものであることから、契約内容に対する理解が不十分なまま契約締結に至るといった懸念も想定されます。

 新たな法整備が期待されるところですが、身元保証サービスを行う事業者の方々は、消費者契約法等の法令に違反しないことはもちろんのこと、後々契約トラブルが生じないようにすることが必要となっています。

弁護士: 斉藤聡子