介護保険と事業者の指定

福祉事業の専門法令知識

要介護認定を受けた被保険者のうち居宅において介護を受ける方(以下「要介護被保険者」と言います。)が各種介護サービスを受けた場合に、介護サービスを提供する事業者が介護保険を利用するためには、それぞれについて都道府県知事ないし市町村長の指定を受ける必要があります。

まず居宅サービスについては、要介護被保険者が居宅サービスを受けた場合、当該居宅サービスに要した費用を市町村が要介護被保険者に対して支給することが介護保険法第41条1項で定められています。但し、このような居宅介護サービス費が支給されるのは都道府県知事が指定する居宅サービス事業者が当該指定に係る居宅サービス事業を行う事業所により行われる居宅サービスに限られます。

また施設サービスについて、要介護被保険者が介護福祉施設サービス・介護保険施設サービス・介護医療院サービスを受けた場合、これらの施設サービスに要した費用を市町村が要介護被保険者に対して支給することが介護保険法第48条1項で定められていますが、このような施設介護サービス費の支給対象となる介護福祉施設サービスは都道府県知事が指定する介護老人福祉施設により行われる介護福祉施設サービスに限られます。

さらに地域密着型サービスについて、要介護被保険者が地域密着型サービスを受けた場合は当該地域密着型サービスに要した費用を市町村が要介護被保険者に対して支給することが介護保険法第42条の2の1項で定められていますが、地域密着型介護サービス費の支給対象となるのは当該市町村の長が指定する地域密着型サービス事業者から当該指定に係る地域密着型サービス事業を行う事業所により行われる地域密着型サービスに限られます。

弁護士: 松本政子