婚姻前に一方が有していた定期預金の特有財産性について

財産分与

1はじめに

夫婦の一方が、婚姻前から定期預金を有していた場合、その定期預金は特有財産となるか、という点について、ご説明いたします。

2大阪高判平成19年 1月23日(判例タイムズ1272号 217頁)

標記の裁判例は昭和63年2月15日に婚姻した夫婦の財産分与の事案でありますが、以下のとおり述べ、定期預金の特有財産性を肯定しました。

 「みずほ銀行の定期預金のうち50万円は,被控訴人が婚姻前から管理している給与の振込口座と一体となった定期預金で(甲15,弁論の全趣旨),平成2年9月20日には既に預金されていたことからすれば(甲13),婚姻前に被控訴人がした預金が継続しているものであり(甲25の6頁),被控訴人の特有財産と認めるのが相当である。」

以上のとおり、定期預金が婚姻前から継続して預金していたものであると判断される場合には、特有財産性が肯定されうるということになります。

3 さいごに

財産分与についてお悩みの方は一度、当事務所にご相談ください。

弁護士: 伊藤由香