婚姻費用の分担の保全処分(婚姻費用の仮払いの仮処分)について
婚姻費用・養育費
1 はじめに
夫婦が別居中において、相手方が生活費を支払わなくなった場合、早急に生活費を確保する必要がございます。
婚姻費用分担請求の調停申立てを行うことも考えられますが、調停の結果を待っていては遅すぎて、生活が回らないという場合には、婚姻費用の仮払いの仮処分を申し立てることをお勧めいたします(家事事件手続法157条1項2号)。
2 管轄について
婚姻費用の仮払いの仮処分を申し立てる裁判所は、本案の調停又は審判が係属している家庭裁判所となります。(つまり、仮処分の申し立てのみを行うことは出来ません。)
3 要件について
婚姻費用の仮払いが認められるためには、①本案認容の蓋然性、②保全の必要性があることを疎明する必要があります。具体的には、①相手方に婚姻費用の支払い義務が認められる可能性が相当程度あり、②申立人の生活状況が逼迫していること、となります。申立人の収入が、最低生活費を下回っていることについて疎明があれば、②は十分に認められます。
3 最後に
相手方から婚姻費用を支払われず、生活が逼迫している場合には、婚姻費用の仮払いの仮処分を申し立て、早急に相手方に対し支払いを求めることも可能ですので、ぜひ当所にてご相談くださいませ。
弁護士: 中川真緒